「同じ環境なのに、私のOutlookアプリだけ動作が重い気がする」「オフラインだと古いメールが見られない」
Microsoft 365を運用していると、こうした差に気づくことがあります。その差を生んでいるのが、Outlookのキャッシュとキャッシュ期間です。Outlookアプリは、サーバー上のメールをPCへコピーして動作しており、どれだけの期間をPCに保持するかは設定で変更することができます。
この記事では、Outlookのキャッシュの仕組みと、キャッシュ期間をどう決めればよいかを解説します。
この記事のポイント:
- Outlookのキャッシュは、サーバー上のメールをPCへコピーしたもの
- キャッシュ期間はアカウント設定で変更できる
- キャッシュ期間を短くすると動作が軽くなる/長くするとオフラインでの利用に強くなる
Outlookのキャッシュとは
Outlookのキャッシュとは、Microsoft 365上のメールや予定表をPCに保存したコピーです。
クラシックOutlookでは、この動作をExchange キャッシュモードと呼びます。この機能があることで、メール確認時にサーバーへ毎回アクセスせずに済むため、表示が速く、オフラインでもメールを読むことができるようになります。
キャッシュされたデータはOSTファイルという1つのファイルに格納されます。既定の保存先は以下です。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Outlook\

OSTファイルはあくまでサーバー上のデータの控えです。OSTファイル本体やOSTファイルを保存しているデバイスが壊れてもMicrosoft 365のメール本体は失われません。
キャッシュ期間とは
キャッシュ期間とは、メールをどれだけの期間分PCに保持するかの設定です。
例えばキャッシュ期間を「3か月」に設定すると、過去3か月分のメールだけがOSTファイルに同期され、それよりも古いメールはサーバー上にのみ存在する状態となります。
クラシックOutlookのキャッシュ期間は「12か月」が既定の設定です。キャッシュ期間よりも古いメールもサーバーには残っており、オンラインであれば検索や閲覧ができます。

キャッシュ期間を短くする/長くするの違い
キャッシュ期間の長さに決まった正解はなく、使いやすさとのトレードオフの関係となっています。
| 短くする(3か月など) | 長くする(すべてなど) | |
|---|---|---|
| ディスク使用量 | 少ない | 多い |
| 動作の軽さ | 軽くなりやすい | 重くなりやすい |
| オフラインで見られる範囲 | 狭い | 広い |
| 古いメールの表示 | サーバー取得のため時間がかかる | すぐに表示できる |

判断の目安は次のとおりです。
- メール量が多く、動作が重い:短くする
- 出張が多くオフライン利用が中心:長くする
- 迷う場合:既定の設定(12か月)のままにしておく
なお、キャッシュ期間を短くするとPC上に残るデータが減るため、キャッシュ期間を短く設定することはディスク容量の節約にも繋がります。
キャッシュ期間を変更する手順
クラシックOutlookでの手順は以下のとおりです。
- Outlookで「ファイル」>「アカウント設定」>「アカウント設定」を開く
- 対象のMicrosoft 365アカウントを選び「変更」をクリックする
- 「オフライン設定」のスライダーを動かす

- 「次へ」>「完了」をクリックする
- Outlookを終了し、再起動する
変更後は再同期が発生するため、期間を長くした場合は完了まで時間がかかることがあります。
キャッシュが原因の不具合が疑われる場合
Outlookアプリが上手く動作しない場合、キャッシュファイルが破損しているケースもあります。
「検索できない」「同期エラーが出る」「クラシックOutlookだけ不具合が出る」といった場合は、キャッシュの削除(退避)やプロファイル再作成が有効なことがあります。
新しいOutlookではどうなる?
新しいOutlookにはExchange キャッシュモードがなく、代わりに「オフライン設定」でローカル保持の日数を変更することができます。
新しいOutlookで「オフライン設定」を確認・変更する手順は以下のとおりです。
- 新しいOutlookで「設定」を開く
- 「全般」>「オフライン」にて、「メールの保存日数」を確認する

選択肢は7日、30日(既定)、90日、180日です。クラシックOutlookのように「すべて」とする設定はありません。
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よくある質問(FAQ)
- Qキャッシュ期間を短くするとメールは消えますか?
- A
消えません。PC上に保持する範囲が狭くなるだけで、メール本体はMicrosoft 365上に残っています。オンラインであれば古いメールも閲覧できます。
- QOSTファイルを別のPCにコピーして使えますか?
- A
できません。OSTファイルは別のPCへ移動できない仕様です。新しいPCでアカウントを追加すれば、Outlookが自動的にOSTファイルを作成します。
- Q共有メールボックスもキャッシュされますか?
- A
既定では、Exchange キャッシュモードが有効な場合、共有メールボックス内のメールもPCにダウンロードされます。共有メールボックスを多く追加しているユーザーほどOSTファイルが大きくなりやすい点に注意しましょう。
まとめ
- Outlookのキャッシュはサーバー上のメールをPCへコピーしたもの
- クラシックOutlookのキャッシュ期間の既定は12か月で、設定から変更できる
- 新しいOutlookのオフライン設定の既定は30日で、設定から変更できる
- キャッシュ期間を短くすると軽く、長くするとオフラインに強いというトレードオフがある
「Outlookが重い」場合には、キャッシュ期間を変更することで動作が改善することがあります。
特にメール量の多いユーザーでは効果が出やすいため、IT担当者が押さえておきたい設定のひとつです。
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